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遺言書で出来ること

遺言書は、人間の最後の意思表示と言われております。
生前のうちに遺言書を作成しておけば、ある程度、他界後のことを決めておくことができます。
なぜなら、相続手続きでは、何よりも遺言書に書いてあることが優先されるからです。
法的に有効な遺言書であれば、相続人全員の合意がなくても相続手続きができます。


遺言書には、自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言の3種類の形式があります。
この中から自分に合ったものを選ぶことになります。
ここではまず、法的に有効になること(遺言書でできること)をご説明いたします。


遺言書で出来ること

遺言書には何を書いても自由です。
しかし、記載されたすべてのことが法的に有効というわけではありません。


法律によって保護されるものは以下の4つです。
1.財産処分方法に関すること
2.身分に関すること
3.相続に関すること
4.遺言執行に関すること


<1.財産処分方法に関すること>

法定相続人以外の方に財産をゆずりたい。(遺贈)
例えば・・
内縁の妻に家を残してあげたいときや、一生懸命介護をしてくれた長男のお嫁さんに財産の一部を分けたいときなど。


②団体等に寄付をしたい
例えば・・
お世話になった団体に財産の一部を寄付したいときなど。


※この2つは特に、遺言書がなければできないことです。
いくら何十年も生活を共にし、夫婦同然であっても、内縁関係の人には一切相続権はありません。このような場合は、遺言書によって遺贈の指定をすることができるのです。

※財産処分は遺言者が自由に決めることができます。
ただし、後々のトラブルを防ぐためには、遺留分を侵害しない範囲での指定が賢明です。


<2.身分に関すること>

①認知したい子供がいる方
例えば・・
婚姻外の子がいて、その子に財産を残したい場合、認知をする必要があります。
また、遺言によってまだ生まれていない胎児の認知を指定することができます。


②後見人、後見監督人の指定をしたい
例えば・・
相続人の中に未成年の方がいる場合、信頼のできる人物にその財産を管理する後見人を指定できたり、またその後見人を監督する後見監督人を指定することができます。


<3.相続に関すること>

①特定の相続人に多くの財産を相続させたい。
例えば・・
何人かの子供のうち世話をしてくれた一人に多くを相続させたいときなど、法定相続分と異なる割合で指定できます。


②遺産分割の方法の指定をしたい
例えば・・
「この土地はAに、この預金はBに」といった分割を具体的に指定することができます。


③遺産分割を禁止させたい
例えば・・
遺言書で遺産分割を禁止することができます。(ただし、その期間は5年間に限られています。)


④相続人の廃除の指定をしたい
例えば・・
相続人の中に著しい非行をした人や、自分に対して大きな侮辱、虐待を加えた人がいる場合、その相続人を排除する指定ができます。(相続人の廃除
※廃除のを指定した場合は遺言執行者の指定をしておくとスムーズです。


⑤相続人の廃除の取消をしたい
例えば・・
既に家庭裁判所に相続人の廃除の申立てを行っており、それが認められていた場合、その排除の取消も遺言によって指定できます。
※排除の取消を指定した場合は、遺言執行者の指定をしておくとスムーズです。


⑥相続人の担保責任の指定
例えば・・
4人兄弟のうち、Aが相続した土地が、坪数不足やその他の理由で損害を受けた場合、AはB、C、Dに対して、その相続分に応じて損害の保証を求めることができます。遺言によってこの法定されている担保責任を軽減、免除、加重することができます。


⑦減殺方法の指定
例えば・・
1の「財産処分方法に関すること」でご説明した遺贈や、贈与が、遺留分を侵害している場合には、遺留分権利者が減殺請求をすることがあります。この減殺の方法を遺言者が決めることができます。


⑧特別受益の持戻しを免除する指定
例えば・・
通常、相続人Aに生前、特別に財産を与えていた場合(特別受益)は、相続財産の中に加えられ、相続人Aの相続分から特別受益は差し引かれます。しかし、遺言で指定することによって、持戻しを免除できます。


<4.遺言執行に関すること>

①遺言執行者の指定又はその委託
例えば・・
遺言書に書かれている財産処分方法や、認知、相続人の排除に関することなどを、遺言者に代わって忠実に実行する遺言執行人を指定できます。
※遺言執行者がいる場合には、相続人は相続財産の処分、その他遺言の執行を妨げる行為はできないと定められています。